ぐるぐる映畫

アンダー・ザ・シルバーレイクのぐるぐる映畫のレビュー・感想・評価

4.0
なんだこれ…すげぇな…
なんというカルト的な映画だ…

今年の頭ぐらいに「パーティーで女の子に話しかけるには」というこちらもカルト的な映画で感想が書けないぐらいぶっ飛んだ映画を見たのですが、この「アンダー・ザ・シルバーレイク」はその上を行くぐらいぶっ飛んでいる!

内容は恋をした隣人が失踪し、それを追うというシンプルなものなんですが…これが全く理解出来ない!なにか他の誰かの夢を見せられているような気分になりました。

…なのですが
これが不思議な事につまらないという感情は鑑賞中には一切無く逆にワクワクしながら見ていた。
この感覚なんなんだろう??と様々な解説を見ていたら答えが出ました。

要はこの話、夢追い人の話なんですよね。
自分もサムと同じ状況なので恐らく楽しめたんじゃないかなと。

暗号や謎を解いてるシーン、つまり何かを追いかけている時は楽しいからワクワクする。逆にそれを否定されたり邪魔されると浮き立たない。

この映画に「悪夢版ラ・ラ・ランド」なんていうキャッチコピーが付けられているのですが正にそのキャッチコピーの通り。

サムにとってのサラは夢の象徴。
だから必死に追い続ける。

追ってる最中には邪魔されたり裏切られたり否定されたり現実を見せられたりする。
でもサムは追い続ける。
しかし、追いかけていた彼は結局のところ妥協してしまう。

これ男だけが理解できる事なんですが「抜いたら負け」という対象があって…何というか…それは悔しいけど魅力があると言うか…サムにとってはそれがあの隣人のエロいおばさんになる訳です。

彼は結局サラでは無く、そのエロい隣人に妥協してしまう。

「ラ・ラ・ランド」では少なからずも明るい未来が見え、夢は叶わずとも一歩進んでいたのに対してこちらは妥協し結局のところ現状維持。というかむしろ良くない状況へ。そこには夢も希望も無く「悪夢版ラ・ラ・ランド」というキャッチコピーの通りになる。

好き嫌い分かれる映画なんですが魅力的な映画である事に間違いないです。
いやぁ…前作の「イット・フォローズ」でも思ったんですけどこの監督なんちゅう映画撮るんだよ…