hi1oaki

アンダー・ザ・シルバーレイクのhi1oakiのレビュー・感想・評価

3.7
陰謀論をポップカルチャー的に解釈したキュートな怪作。
意味がわからないと一蹴するも良し、必死に作品からのメッセージを見出そうとするのも良し。自分はその中間で楽しみます。
『ツインピークス』や『ホーリー・マウンテン』のような“どこへ連れて行かれるのかわからない”感じで、緻密で神経質な作品なのかと思わせながらスパイダーマンという“わかりやすい”オマージュも入れてくるという無邪気な部分も併せ持つあたりがフレッシュで“今”の映画感がある。
全体を通すと“?”という部分や都合の良すぎる展開はあるものの、シーンとシーンの繋がりは自然。なので“あぁなるほど”ってな具合にわかった気になって観れる。よく考えると全然おかしいんだけどね。その感じを楽しめばいい。
このわけがわからなそうな話を“脈絡が無い”というわけでもない風に作り上げる手腕。デヴィッド・ロバート・ミッチェル恐るべし。『アメリカン・スリープオーバー』→『イット・フォローズ』からの“こんなん来ますか!”っていうね。この人のフィルモグラフィーは今後どうなって行くんだろうか。今作で広げた風呂敷によって次作がもっと楽しみになった。
hi1oaki

hi1oaki