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アンダー・ザ・シルバーレイクのnagashingのレビュー・感想・評価

2.5
挫折したワナビーが現実の不条理に独自の文脈で意味づけして癒しを得ようとする誇大妄想的冒険譚。自分でデザインしたRPGを記憶を消してプレイしているようなマッチポンプ感にゲンナリ。「人捜し」が意識の深淵や社会の暗部へと横すべりしていくのではなく、実質的な自己探求の旅へと矮小化されていく。類似した先行作品とくらべるとかなりショボくてダサい。この射程の狭さと「探偵小説のコピーのコピー」であることがあいまって、ひたすら先細りしていく不毛感がいなめず。ある世代以降の文化的な原風景が「ジャンクの集積」であることのナルシスティックな自虐芸としてもいまさらすぎる。
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