ゆめちん

アンダー・ザ・シルバーレイクのゆめちんのレビュー・感想・評価

3.0
アンダー・ザ・シルバーレイク

L.A.のシルバーレイクを舞台に、30代無職のサム(アンドリュー・ガーフィールド)が、"謎解き"をテーマに、知り合って間もない美女サラの失踪事件を追いかけるストーリー。

コメディー?ホラー?スリラー?ヒューマンドラマ?カルト?と、1つのジャンルで一括りに出来ない程多岐に渡り繰り広げられ、昔の映画やポップカルチャーを上手く活用しながら、今の見え隠れするL.A.という街のすべてを描いたような作品でした。

先の展開が全く読めず、ストーリーが曖昧で辻褄が合わないままスピーディーに展開し、伏線回収も儘ならないまま違和感だけが最後に残り、それが鑑賞後には余韻に変わっていく感覚がたまらなく、まさに監督の策略通りにこの作品を堪能したのかもしれません。

主人公サムを演じたアンドリュー・ガーフィールドの演技が素晴らしかった。"ブレス"での全身麻痺で体が動かない役柄とは全く違う役で、走り方だったり目の動きだったり声のトーンだったり、お洒落で美しい背景とは似ても似つかないオタクでふわふわした主人公を見事に演じていたと思います。

この映画にはたくさんのサブリミナルが散りばめられ、残念ながら鑑賞中そのほとんどを解き明かすことができませんでしたが、今まで多くのポップカルチャーに触れてこられた方ほど、隠されたメッセージを読み解くことが楽しいと感じる、そんな作品なんでしょう。
ゆめちん

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