ケンタロー

アンダー・ザ・シルバーレイクのケンタローのレビュー・感想・評価

3.5
俺は知っているぞ。コレは語ってはならないんだ…。
語ったら最期、アイツの術中にハマッたも同然だぞ?

マリオがノコノコにハメ技をキメるみたいなもんさ。オマエはまるでノコノコのように為す術なしで、ヤツはスコアを伸ばし続けるか、はたまた無限1UPを繰り返すか…。

この映画の物語では、世にはびこる陰謀が語られているが、、、
実はそうじゃないんだ…。

この映画自体が陰謀なんだよ!

見たとしても語ってはならないんだ。
語ったらオマエも陰謀の片棒を担ぐことになるぞ!


…と、いった感じで自分も妄想にまみれると楽しめる映画だよ♪

字幕 07NOV18

以下、ちゃんとレビュー追記(※ネタバレ含む)

私は10代の頃より、リンチに傾倒し、クローネンバーグに磨かれ、フィンチャーに羨望の眼差しを向けていました…。ハイ、自他共に認める 変態 であります(笑) この偉大な三大デヴィッドに四人目が加わるというフレコミでも評判のデヴィッド・ロバート・ミッチェル。

当然、私も興味津々で、本作の「ヒッチコックとリンチの融合、悪夢版ラ・ラ・ランド」というキャッチコピーに、私の心のレッドルームでは小人が小躍りしまくったもんです♪

で、率直な感想なんですが、、、今のところ養殖感が強いかなと…。

ロバート・ミッチェルが、自身を構築しているサブカル&POPカルチャー、ハリウッドに対しての愛憎をブチ込んだ本作は、彼が敬愛するヒッチコックらのオマージュや模倣で終わることのない出来にはなっていると思う。

『サンセット大通り』、『マルホランド・ドライブ』のようにハリウッドの闇や都市伝説を物語のベースに、さらに自身の闇(黒歴史)を重ねることで情報をデコった結果、単に怪しいカルト映画じゃなくて間口の広いパッと見のエンタメ感、オシャレ感もマシマシになっている。

だがしかし、リンチの変態性が天然だとするならば、ロバート・ミッチェルのソレは養殖感が否めない。 よく研究され、培養された変態性。ここがイマイチというか、根本的にノリ切れない部分であった。

ロバート・ミッチェルが次作以降にどのような作品を撮るのか? そこが興味深い。まったく違うジャンルであっても器用に撮ってしまう力量は感じる。器用貧乏にだけにはならずに私の変態デヴィッド四天王になってほしい(笑)

追記
どんな映画か一言で表せと言われたら…ファミコンソフトの「たけしの挑戦状」みたいな映画だよと…(これもきっと伝わらない…笑)

何者にもなれない男が退廃的な街に隠された都市伝説めいた謎解きに奔走し、街に潜む狂気や暴力に巻き込まれていく…あまりにも不条理な展開と死のイメージ。いわゆるクソゲーと呼ばれる誰にもクリアできない(する価値の無い)その物語とクソゲー崇拝

そして、おそらくは、その謎解きに躍起になる観客(プレイヤー)に対して、冷ややかな眼差しで見ているだろう、デイヴィッド・ロバート・ミッチェル監督とビートたけしのシニカルな立ち位置…。

考えすぎ???(^_^;)