ちろる

アンダー・ザ・シルバーレイクのちろるのレビュー・感想・評価

3.8
カルトなんだけど、ポップ。
流石セレブの住むシルバーレイクが舞台とだけあり劇中流れる音楽もインテリアも、女の子のファッションもなかなかおしゃれで見応えのあるシュールなミステリー♪
ビッグになる夢を抱えてLAに住んだものの、30も過ぎて鳴かず飛ばず、やる事もなく覗きかSEXしてやり過ごしてるサムが、めちゃくちゃタイプの美女サラと出逢い、デートの約束をこぎつけたのにサラが忽然と姿を消してしまう・・・
まず、このサムがこの謎に迫る理由は
①サラともう一度逢いたい
②都市伝説など謎を解明するのが好き
③ただひたすら暇
の3点であるが、これは所謂惨めな自分の環境からの現実逃避とも解釈できる。
都市伝説オタクにとっては、ヨダレが出るほどにありがたい、なんとも意味ありげな怪しいキーワードや、事件がサムの周りに登場するのですが、あまりにも都合よくありすぎて・・・嘘だろオイってなっちゃう訳です。
でもこの次から次へと登場する嘘だろオイって材料たちも、サムがサラの失踪の謎を探すために迷い込む謎のパーティーやライブなんかも、それが深い意味があってもなくてもどうでも良いと思えるくらいに観ていてなんだかワクワクするトリッキーで印象的な映像たちとおしゃれな音楽に楽しませてもらいました。
さあ、都市伝説オタクのサムが行き着いたシルバーレイクの謎とは???
意味ありげなものは意味ありげなままでいい。
闇が明るみにされたってカルトな考えを奥底まで理解することはできないのだから。
しかしなぜにロサンゼルスは最終的にこんな感じの究極思想に行き着きがちなのでしょうか?結局何者でもないサムは謎を解明してもサムのままだから。
虚しさと皮肉に満ちた物語、え??って感じの展開に好き嫌い分かれると思うけど、不条理系なカルトムービーがお好きな方には是非お勧めしたい作品です。
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