二瓶ちゃん

そうして私たちはプールに金魚を、の二瓶ちゃんのレビュー・感想・評価

4.3
明け方に急に今作のタイトルを思い出して鑑賞。

ギンギンギラギラに決まったカットの数の多さに目がクラクラしたけど、バーのバイト終わりにも関わらず最後まで見れたのは多分このおかげ。

若さの勢いが凄まじいと思う。園子温かと思うぐらいに語りがメインでそれに従って映像が動いていくんだけど、精一杯のアナーキーを観れてなんだか嬉しかった。

クレヨンしんちゃんの映画の話題に戻るようになっちゃうけど青春なんてものはきっと人の数だけ答えがあるんだと思う。

何か明確な理由があって行為に至ったと観客は予想して観るけど、結局なんだかんだそう。まぁ色々なことに巻き込まれていくうちにそうなっちゃうんだけど、意味なんてねーよバーカ!ってのはすごくわかる。理由や意味はきっと後付けのものに過ぎなかったりするのだ。

父親がテレビ見てるばかりで母親が浮気してて兄は女性蔑視とも言えるニコ生見てて、はぁ、鬱屈。私だったらそんな家今すぐ家出してやるよ。若い視点から描かれた日常に対する違和感が恐ろしいほどに刺さる。中でも「ポジティブこわい」がすっごくわかる。無理に状況を肯定的に解釈しようとする大人はブキミ、だ。

あっという間の27分間だったが、満足感が凄まじい。下手くそなカラオケと画面に向かっての中指立て、固有名詞の殴打に、未来の自分達からの予言、地域おこしじゃない、もう残っていくだけで精一杯のご時世さ、地域のこしさ!ご当地ムービーを作ってる奴らに叩きつけてやれ!ということでこの評価。

彼女たちが大人になってこの映画を観たら何を思うんだろうか。そして私も。