Shibawithbread

グッドナイト・ヴァレンチノ(原題)のShibawithbreadのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

映画の中では美しい女の間を揺れ、現実の世界では多くのファンを持ちながらも世論にさらされマスコミによって作られた己の姿にひどく屈辱を感じる激しい面を持ち合わせる。

調べてみたら言われればエキゾチックかも。写真や役柄でガラリと雰囲気が変わるところがまたなんとも言えない魅力か。

_
広漠とした無から目がくらむような成功を収めたのなら
その成功も空洞だった
巨大で栄華な無のように
大衆が彼を称え
大衆に歓呼されたならば違和感を覚えたはずだ

神が大衆の中から彼をお召しになったのは
優しさからだと思う
自分の名声を心が求める水準にまで
高めようともがき続けただろう
そして挫折したはずだ
ベートーベンの名声がヴァレンチノより高いとしたら
ベートーベンは称賛の真意を知り
活気に満ちたまま去った
ヴァレンチノは顔を壁に向けてしまった


"Goodnight, Valentino."


神の陳腐なジョークだ
人は孤独でなければならない
群衆が押し寄せて来たとしても