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おとなの事情のsienaのレビュー・感想・評価

おとなの事情(2016年製作の映画)
3.0
ずっと観たかったやつ。
リメイク版が公開配信されてたけど、まずはオリジナルを観たいと思っていてやっと鑑賞。

想像してたよりなかなか心理的にエグかった…みんなそんなに秘密を抱えて生きてるものなの?笑

主催の夫とその娘との電話のやりとりはすごく感動的だった。
年頃の娘がそんなこと親に相談できるのも驚きだったけど、父からそういう働きかけをしてくれたからこその娘からの相談でもあるし、でも父からの働きかけがちゃんと作用するのは普段からの信頼関係やコミュニケーションがなりたっているからでもあるし…
娘からの否定の言葉を友人たちに聞かれても、ショックを受けて取り乱したりせず真っ先に夫を誉めた妻の姿もとても意外だった。

結局、秘密らしい秘密がないのはこの夫だけで、夫婦関係が終わりを迎えそうだからってその幼馴染と関係を持っちゃう妻は最低のクズだし、誰よりもカウンセリングを受けるべきでは?

ビアンカは初めは可愛らしい新参者って印象だったけど、会話のたびに空気の読めなさがひどくてあまり好きになれなかった。

レレはペッペにスマホの交換を持ちかけた時は好きになれなかったけど、たいした秘密は持っていなかったし、ペッペの秘密を守りきったり、終盤では弁護士なのに妻の罪(飲酒運転による死傷事故!)を被って隠し通してきたとか、情に厚すぎる家族思いだからこその提案だったかと思うとむしろかなりの良い人…

そういえばイタリア映画で同性愛者ってあんまり見ないかもな…といまさらながらに思ったり。
ペッペが本当に普通の、むしろ冴えない男性として描かれてるのは好感が持てたな。

コジモは本当にどうしようもないクズ。
カルロッタもキツくて苦手。
エヴァよりはまだわかりやすくて良いけど。



そして終わり方が一番怖かった。
月蝕が終わった描写とともに、何事もなかったかのように帰っていくそれぞれ。
エヴァが、コジモにつき返したはずのピアスをはずしている描写でやっとパラレルワールド?夢オチ?と気づいたけど、そこまではなんだか、家を出ると同時にみんな無言で今のことはなかったこととして暗黙の了解で蓋をしたような、全員サイコパス?みたいな怖さがあった…
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