ペンソー

おとなの事情のペンソーのレビュー・感想・評価

おとなの事情(2016年製作の映画)
4.2
スマホを題材にしていてなんとなく面白そうだったので。

家のリビングを舞台に繰り広げられる会話を中心にした群像劇。結婚してから観たらまた違ったんだろうなぁ。今の歳でこれを観ると結婚したくないし汚い大人にはなりたくないと思った。

スマホはまさしくブラックボックスで、きっと昔なら絶対に知ることができなかった相手の秘密がスマホを覗くだけで知ることができてしまうというのは良くない。スマホは絶対に必要だけどあまり好きではない自分としてはやっぱり便利すぎる世の中というのは良くないなぁと。

きっと世の中には知らないほうがいいこともあるはずなのに、秘密というのはついつい知りたくなってしまう。あえて触れなければ傷つくこともないのに自ら傷つきにいってしまう、人間というのは難しいなぁ。

この映画であえてゲームを提案したカウンセラーの奥さん、策士だし自分は高みの見物でぶっちゃけ最低。夫が本当にいい人だっただけに胸糞の悪さが半端じゃない。
自分だけは傷つかない距離からスリルを味わって周りの関係を崩壊させる。それでも大人の関係は夫婦だけじゃないし家庭がある。ラストの展開は自分には理解不能だった。口裏を合わせてたのかと思ったけどそれじゃさすがに辻褄が合わないし、あれだけのことがあったのにそれでも仮面を被って人生を続けていくというのが理解できなかった。きっと明日からはいつも通りの生活を続けるんだろうなぁ。全くもって理解不能。
まさしく「おとなの事情」。もっと歳を重ねれば理解できる日がくるんだろうか…。

それにしてもやっぱりカウンセラーの奥さんが最低すぎてモヤモヤが晴れない。夫の素晴らしさに気づいてないし、なんか生々しくてリアル。改めて、これが大人の現実だというのなら結婚したくないし、汚い大人にはなりたくないと思いました。純粋な人間でいたいです。
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