きぬきぬ

おとなの事情のきぬきぬのレビュー・感想・評価

おとなの事情(2016年製作の映画)
3.5
ダビッド・ディ・ドナテッロ賞で作品賞、脚本賞を受賞作。

新月の夜に集った友人夫婦たちが、ふとした猜疑心から意地悪な携帯着信をオープンにするゲームを始めるのだけど、それが次第に墓穴を掘り、友人にも言えない秘密が露見していく醜さも滑稽。
食事会に集った面々はそれぞれのパートナーを必要としているにも関わらず、おそらく不満や欲望から露見すれば寒くて痛い欺瞞を親しい友人の中でも抱えている。それを新月の月の狂気の所為にして、大人の対応として無かった事にしてしまうのが怖い。
友人やパートナーの思いがけない醜さや裏切りを知ったとしても、元の鞘に収まろうとするのは愛なのか諦念なのか友人関係や生活が捨てられない恐れの為か。もしくは寛容さか。大人って面倒くさいな~って哀しく怖くなってしまったわ。
きぬきぬ

きぬきぬ