【秘密の話】
『おとなの事情』観ました。
パオロ・ジェノヴェーゼ監督の代表作。
『ザ・プレイス 運命の交差点』をきっかけに監督の存在を知り、関連作として教えていただいたので鑑賞。
感想は.....
おもしろかった!!
どこがどうおもしろかったって?
それは秘密。
観た人だけのお楽しみ。
隠すのはずるいって?
うんうん、そんな人にこそ観ていただきたい。
実はこの作品、嘘と本音が詰め込まれた爆弾のような、ネタバレ禁止映画なのだ。
幼なじみたちが集まった食事会。
始まったのは携帯を使ったゲーム。
お互いの信頼を確認し合うため、テーブルの上にそれぞれのスマートフォンを並べ、誰かから連絡が来るたびに見せ合うというスリリングな遊び。
こんな遊びはおとなにしかできない。
おとなじゃなきゃ盛り上がらない。
携帯のロックを解除すると同時に、彼らの心の鍵も外される。
通知が届くたび、秘密以上に隠しきれない動揺。
秘密が暴かれるたび、晒されてしまう本音。
驚愕の事実はおいしい料理といっしょに飲み込むことができるのか?
観客である私たちはすべてを味わうことが許される。
もちろん、携帯の電源は切っておきながら。
映画鑑賞中のマナーだからね(笑)
一番印象的だったのは、秘密がバレた登場人物が吐き捨てたこんな台詞。
「カミングアウトしたのは君たちのほうだ」
秘密そのものよりも、相手の秘密に対する態度。
驚愕の事実を超えてしまう本性。
秘密は隠せても、心までは隠せない。
そろそろ映画が終わる。
鑑賞後、携帯の電源を入れ、まずなにをするだろうか。
映画を観た私たちの妙な焦りも、心のざわつきも、映画のスパイスになってくれるにちがいない。