エアール

おとなの恋の測り方のエアールのレビュー・感想・評価

おとなの恋の測り方(2016年製作の映画)
3.7
リッチで、知的で、ハンサムで、
才能溢れる建築家であり、
それから息子想いのバツイチパパでもあり、
人に好かれ、オシャレで、
インテリアのセンスも抜群‼︎
オマケに卓球の腕前は相当なもの 笑
でもね、彼にはひとつ大きな”特徴”があるの
ーーその〜身長がね…136センチなの…

見かけの”デカさ”と心の器の”デカさ”は
必ずしも比例しない。
体は大きくとも小心者でちっちゃい奴だっていればその逆も然りで
小柄だとしても物怖じせずになんでも受け止めてくれるデカいハートを持った奴だっていちゃったり。
人を好きになるのに身長差は大切なのだろうか…
答えに詰まるようなら是非とも
本作を観ていただきたい。


極端に背の低い男と美人弁護士とのロマンス、
美人弁護士がレストランに置き忘れた携帯を拾い
連絡を取ったことをきっかけに始まる。
男側からすれば自身の”特徴”を個性と捉えるか、甚だ我慢ならない劣等感と捉えるかで日々のモチベーションだったりが変わることでしょう。
一緒にいる女側からすれば周囲の奇異の目や自身の先入観とどう向き合うか、…
あくまで深刻になり過ぎないようにコメディータッチで描かれているところが
またいいですよね〜

茶目っ気たっぷり、魅力的な”小柄男” アレクサンドルを演じたジャン・デュジャルジャン、
そんな彼に惹かれていく自分と葛藤する弁護士 ディアーヌにはヴァルジニー・エファラ。
キャラクター、惹かれあっていく過程や2人が醸す雰囲気が観ていて心地よかったです。
ジャンの実身長は180を越えるそうですが
約40センチ低の身長差をどう演じるのかも
ひとつの見どころでしょう
ーー時にCG、時には膝立ち、とシーンによって使い分けたみたいですが。
お相手役のエファラが170を越えて女性としても高身長のため
高低差がより際立ちます。

レストランで待ち合わせ、
親指太郎と金髪美女の出会い、
人生が変わる体験と興奮、
怪しい倉庫と穴場のお店、
ディスコにてLast Dance
ーーこのシーンは本編で1番のお気に入りとなりました 笑、
このなんてことのない交差点ーー運命の分かれ道、
父の136センチを軽々と越える、もはや”デカい”やん 息子のベンジ、
背が高い白馬の王子様を夢見る、理想と現実、
贈り物には10歳用のお洋服を、
息子に対する父の粋な計らい、
秘書のコラリー、別れた元夫 ブリュノ、ティアーヌの母 ニコル、など
脇を彩る個性豊かな登場人物たちとのかけ合い、…


気楽に観られて楽しめる中にも
時に はっ、と考えさせられる場面もあったりして。
テンポ感の良さと軽妙な会話のやり取りも素晴らしい、
面白い作品かと。
エアール

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