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ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣のskm818のレビュー・感想・評価

3.7
久々にドキュメンタリー見た。
キャリアの終盤に差し掛かった人の集大成的伝記じゃなくて、現時点でも20台後半のアーティストのドキュメンタリーなだけあって、映像素材が豊富。子どもが何かしているところを写真や動画で撮りまくるのはどこの親も同じなんだなあ…  レッスンの記録映像だの友達同士で撮ってるやつだの色々ある。
赤ちゃんの頃から体が柔らかく、最初は体操を習っていたが、指導者にも勧められてバレエに転向。体操から、バレエに行くかどうか聞かれたりするんだな。子どもだった本人は将来のことなど考えないで、楽しいからやっていたということなんだろうな。それをコントロールして、バレエ団にチャレンジさせるお母さん。子どもの頃は踊るのが楽しかったのにプロになったらつらさとの戦いって悲しいもんだが、得意なこと好きなことを仕事にするってそういうもんだよな…
熱心な親にも背中を押されて頑張って来てある日ふと人生に疑問を感じるとか、家族と離れて寂しいとか、親の離婚に傷つくとかモチベーションを失うとか、創作物でもよく描かれる話だし、子どもの頃から芸事に励んで来た人にはある意味よくある展開なのだろう。単に彼はバレエの才能を恵まれた天才だってだけで、情緒はフツーの感性豊かな人なんだよなあ。
そして一度はバレエを止めようと思ったが、やっぱり踊りたいということで。あのビデオのダンスの振り付けはロイヤルバレエ団時代の親友が担当してるのか。
びっくりしたのは、ロイヤルバレエ団でプリンシパルをつとめ、世界的にもおそらく超有名人だった彼が、ロシアでは特別扱いされず一からオーディション番組に出なければならなかったということ。プライドもあるだろうにその段階を踏む彼もすごいが、ロシア人容赦ないな。
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