ダイセロス森本

ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣のダイセロス森本のレビュー・感想・評価

4.6
鵠沼海岸、シネコヤにて。貸本屋であり、シアターであり、パン屋さんでもあるこのお店では、1日2本の映画を6回くらい上映してるんです。素敵なお店に出会った!1本目はララランド。もう何度目?ってくらい見ているのに、やっぱり最後は涙が出る。そしてこちらは初めて。なかなか上映館が少なく、興味はあるけれど遠いし、ドキュメンタリー、85分のために遠出するかと言われると…うーん。なイメージだった。

が!

一目惚れ。セルゲイくん、かっこよすぎる。
野獣のような目、体、高い鼻までしっかり芸術的で、見る人を引き付ける力強い踊りに、胸打たれた。
体にタトゥーを入れまくり、コカインをやったり、鬱になったり、それでも踊り続ける彼の姿。幼少期からバレエをはじめ、家族総出でセルゲイくんを応援。父と祖母は出稼ぎに外国へ行ってしまうほど、彼の将来に期待をしていた…。断れるわけもなくひたすらバレエに打ち込む姿が写真に収められていて、そこに、彼の心があったのかと言われると、ちょっと難しい気もする。
バレエ以外を知らないセルゲイくんをさらに孤立させてしまったのがロンドンへの留学。英語も話せない中両親と離れ離れになり、ただひたすらバレエを続ける彼の姿。
すごいし、圧倒的だし、実力だって、天才的な部分だってわかる。
でもこれって、先生についたからこうなったとか、そういわれればそうなんだよね。

音楽を死ぬほどやらされて、私立の女子校に押し込められて、そこで音楽以外のことをしって死にかけてた私じゃん。笑とか思ってたけど、彼の場合は貧しくて、両親が血眼になって働いて、彼にすべてを預けてた…って思うと、もっと重くて苦しかったんだろうなって。私なんてくらべちゃあかんね。すみません。。とも思った。

たまに見せる顔がエディ・レッドメインに見えるんだけど誰も共感してくれないからいいや。私はエディにはまりすぎてエディばっか見てる時期があったから多分なんかそう見えちゃうんだと思う。口はそっくりでしょこれ。

かっこいい生き方だなって思った…