このレビューはネタバレを含みます
あのご夫婦のようなシニアになりたい、という感想が多いようだが、私にはどんなに素晴らしい人にも老後の先には死があり、どんなに素敵な夫婦でもいつか別れなければいけない時が来るという、英子さんがおっしゃった「寂しいというよりむなしい」「この先ひとりでどうやって生きればいい」ということばばかり頭に残る話だった。ここまで自分がネガティヴ思考だとは。
台湾で戦友のお墓まいりにいくところ、88で去年他界した、海軍だった祖父のことを思い出させられた。昨日のことはなかなか思い出せないのに、当時教えられた軍歌や一緒に戦ってた友達のことは、ついこの間のことのように鮮明に覚えてるんだよね。結婚してから全部あの印鑑なのに埋めちゃって大丈夫なのか…とこっちが心配になるシーンではあったけれど。
ご夫婦おふたりのことばづかいがあたたかくて。。。昔の時代の、素養がある人たちの話し方。大好き。あんなふうに会話だけで周りを平穏な気持ちにさせられる大人になりたい。