まーぼ

MIFUNE:THE LAST SAMURAIのまーぼのレビュー・感想・評価

MIFUNE:THE LAST SAMURAI(2015年製作の映画)
-
写真屋の息子ということで子どもの頃から写真の被写体になっていた様子を見るに、その頃から「写される」意識みたいなものが育まれていたのではないだろうか。三船さん単体の魅力も当然伝わる内容だけど、やはり黒澤明監督絡みの話の方に引き込まれてしまう。「蜘蛛巣城」における本物の矢が(保険もかけられずに)びゅんびゅん飛んでくるというあのエピソードは何度聞いてもぞくぞくする。スコセッシ監督が「本当に危険だからこそのリアル感!」と唾を飛ばしながら語るところもらしくて良し。三船さんが監督に一切文句を言わずにこの場面を乗り切った的なことを言ってたけど、「俺を殺す気か!」と散弾銃を持って黒澤邸に乗り込んだ後日談もつけて欲しかったかな。今では数少なくなってしまった貴重な当時の生き証人の登場にも本当に感謝。(香川京子さんは今でも本当に品を残した美しさ)その香川さんが朗読する三船さんが亡くなった時の黒澤監督の「お別れ状」は響いた。「三船君、また会おう」その翌年に監督も他界したとのこと。役所広司の語り口も良かった。それにしても客が少ないのが寂しい。これがスバル座ではなく、新文芸坐であれば・・。
まーぼ

まーぼ