ミヤモト

痴漢日記 尻を撫でまわしつづけた男のミヤモトのレビュー・感想・評価

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スーツ姿の冴えない中年男に尻を触られ、人目を憚らず悶える女、主人公は混み入った車内で生まれて初めて痴漢を目撃する。目の前の誘惑的な「事件」に呆然と立ち尽くすことしかできない。主人公と向かい側で起こる痴漢現場のカットバックにナレーションが入る。
「小生は生まれて初めて痴漢というものを間近で見た。羨ましさとも怒りとも嫉妬ともつかぬ複雑な感情に襲われた」
最初この文学的な台詞と相容れない主人公の平凡な声を聞いた時、大丈夫かと不安になったが、ラストでこのしけた声に泣かされる。圧巻。
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