ふぇりな

ワイルド わたしの中の獣のふぇりなのレビュー・感想・評価

ワイルド わたしの中の獣(2016年製作の映画)
3.4
映画には色んなジャンルがありますが、万人受けこそしないものの一定のファンが必ずつくジャンルがあります。その1つが人外と人間の恋です。かくいう私も、人外と人間の恋愛映画が好きすぎて、論文を1本書いてしまったくらいです。笑
そのため本作もとても楽しみにしていたのですが…残念ながらあまり刺さりませんでした。

主人公のアニア、家族とも職場ともうまく関われない内向的な性格で、最初は共感を覚えていたのですが…中盤からは理解できないことばかりで置いてけぼりになってしまいました。登場人物の"気持ち"が分からないのはまあ当然だし気にならないのですが、"行動の理由"が分からないと説得力がないし、なんで?という疑問ばかり増えてしまってストレスになりがちです。なんで急に踊ったの?その人は誰?その行動普通バレない?その格好はさすがに無理では?なんで笑ったの?結局どう思ってるの?…ツッコミまくりの後半でした。
後半やたら性に奔放になるのは、狼と触れ合うことで自信を得て自由になったからなのかな?とは思いましたが、それにしても行動が極端すぎてビビりました。笑 まあでも最初から一目惚れしたオオカミにまっしぐらだし、今更か…。笑

相手がガチの動物だと、意思疎通が難しく恋愛と定義してよいかわからないなとも感じました。事実、中盤まではかなり一方的でしたし…。ただ、何かしらの感情がないととっくに喰われてたと思うので、最終的には双方向だったかなと思います。

映像が常に美しかったのと、アニア役の方がとても綺麗で演技も素晴らしかったのと、余計な演出がなく全体的に落ち着いている雰囲気と、アジア人移民との協力のシーン(現実に反して意外に少ない気がするので)があったのはこの映画のいいところだなと思いました。移民たちとのシーンでは数少ないアニアの笑顔が見られますし、お金のつながりとはいえあの繋がりを持ててたら違ったのかな、と感じました。

テーマがすごくいいだけに、もったいないと感じる作品でした。人外恋愛映画もっと増えてほしいなー!

P.S.この映画に限ったことではありませんが、やっぱりモザイクって邪魔だな…と感じます。そんなん隠されたところで何が映ってるかなんてわかるし、その程度じゃあまり意味ないし、現実に戻されて萎えるよ…。笑
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