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トゥ・リエンのRのレビュー・感想・評価

トゥ・リエン(1980年製作の映画)
4.2
神さまが星々や太陽を創造し、地球を作り、美しい植物を動物を作ったあと、さて、お次はと半魚人を作るんやけど、こんな姿は嫌だ!と泣くので、ならばと、獣人に変えてやると、ノミが痒い!と不平を垂れる。なので、鳥人に変えてやると、体が重くて木に泊まれねーだろぼけ!と怒りをあらわにし、ならばと特徴のない人間に作り変えてやる。すると、彼らは武器を作り出して、今まで神が創り上げた動植物を殺戮し、けばけばしく着飾り、ついには弓矢で神様をも殺してしまう。そこから蛮行に次ぐ蛮行。毛皮で着飾り、メイク塗りたくり、文明をどんどん発達させ…と展開する。本作はアーティスティックな落書きとでもいうべき柔らかく美しい画風のサイレントアニメで、最終的には人間と自然との調和のうちにこそ神が存在することを示唆して幕を閉じる。キリスト教的な天地創造から始まって、最終的には非キリスト教的な自然と人間の共存という結論に行き着くところが、内容としては面白いなぁと。滑らかに次々と展開するアニメーションが、見ててとても気持ちよくて、あと、音楽もとても印象的。こういうの見ると、この監督は一体どういう思想の持ち主なのかが気になってくるね。クリスチャンぽいようで、そうでない部分もあり…。何考えてはったんやろなーと。映画としては、短いのでパパッと見れる上、面白いのでお得な作品。是非。
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