よしゅあ

太陽の塔のよしゅあのレビュー・感想・評価

太陽の塔(2018年製作の映画)
4.0
芸術家の岡本太郎の代表作「太陽の塔」に迫るドキュメンタリー映画。

○岡本太郎は創作する人として、どれだけ自己について深く考え、向き合ってきたかと云う事が分かるドキュメンタリーだと思いました。個人のレベルではなくて、日本人の最初のルーツを深く考えて、近代と現代の状況まで分析した上で創作している。よく、物作りや創作の際は「自分の本質に向き合うことが大事」と云われるけど、その到達点の1つを見た気がしました。

○太陽の塔内部にある「生命の樹」が印象に残りました。
北欧神話やキリスト教、エジプトやメソポタミアで巨大樹や生命の樹に関する神話があり、生命の樹自体が特別なものとして扱われています。しかし、岡本太郎は神聖で特別なものとしてではなく、生物の進化過程を図化した系統樹をモチーフに生命の樹を作っています。様々な宗教で描かれる特別な神々や神聖視される対象ではなく、地球で生きてきた全ての生命の歩み、名もなき生き物の歴史、地球の記憶として表現しているのだと思ったよ。

○例えが映画になるけど「猿の惑星」みたいに、地球が滅亡したらさ。滅んだ地球で自由の女神像を見たとしても、自由の女神像を知っている人にしか、これが何か、ここがどこか理解できないよね。だけど、太陽の塔の内部には、地球で生きてきた生命の歩みを表した生命の樹がある。これは誰が見ても、(地球人じゃなくても)地球の歴史が分かるなあと思った。だから、滅亡に耐えられる様に、絶対解体できないように大きく建築したんじゃないかね…

2019/9月