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太陽の塔のmitakosamaのレビュー・感想・評価

太陽の塔(2018年製作の映画)
3.1
スカパーにて。太陽の塔と岡本太郎に焦点を当てたドキュメンタリー。
制作に対する意図や意義が語られるのだが、当事者が殆どおらず、主に学術研究者による意見で構成される。

それ故に極めて客観的な視点で語られるが、一方で「お前誰だ?」「お前が語るか?」という論客がいるのも確か。

宗教学者の中沢新一のアプローチは面白かったけどね。糸井重里やTVプロデューサーの土屋ナンチャラとかまで語る。お前関係ないだろ。
むしろ夫人の意見をもっと聞きたかったよ。

全部で9章での構成だが、一番感心したのが粘菌学者の南方熊楠との比較の章。
太陽の塔内部の微生物から人への進化のオブジェと、熊楠の思考との共通点を指摘してる。ナルホドな。

また、太陽の塔の観覧コースが最終的に“市井の人間に辿り着く”ことの意義も指摘してる。当時の科学技術の頂点を表す万博の意図と真逆のアプローチだという説。
最終的には人間の個に帰依するという思想。これが太郎のもっとも先進的な発想だというのだ。

反原発の政治的主張が強く、そこが客観的でないなとは思うが、太郎の思想の自由さはとても共感できる。