白瀬青

劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~の白瀬青のレビュー・感想・評価

4.4
現代風の絵柄にガラッと描き直しての再アニメ化が賛否両論の中(個人的にはどれも好きなんですが)現代風の絵柄に直して大正解!! と思う作品。
だって、昔の漫画って女の子や恋愛の描き方がアレなんでしょうと思い込んでる人にこそリーチしてほしい。
それでいて、大正の景色や服の可愛さは古き良き少女漫画の最高さ。ときおり少女漫画あるある絵柄再現もありますよ。

ラブのない許婚から始まる恋、なんですが、顔がいいからラッキーという風には流れない。
ラブがないまま結婚生活が始まり、そこにあるのはただただ、前編後半30分まで、「江戸の価値観を引きずるこの屋敷に、あなたが新しい風を呼び込んでくれる」という人間としての信頼。
ラブ、というより、お仕事ドラマのように進む新婚生活とそこから芽生える人間関係。
絵柄が現代的になり、若干展開が単純化されたことで、そもそもはいからさんは、壮大な近代歴史物でもあり、良きフェミニズムを取り扱った作品でもあるのが難しくなくしっくりと伝わってきてカッコいいのです。
ちょいちょい作画が崩れるのが目立たなければ★4.8くらいでもいいくらい。
白瀬青

白瀬青