こういう複雑な人間関係を描いている作品、久々に見たな、と。
前半の映画監督志望の青年パートは不思議な世界観を独特の台詞回しで語られたと思ったら、後半はその最後で描かれたある人物を巡る死生観のぶつかりあいというか。
人間一人ひとりの考え方はもちろんそれぞれ違うし、特定の人物に抱く感情もまた人それぞれなわけだが、それは生きているからこそ成り立つことであり、死んでからでは何もかもが遅いのである。
その人が生きているから「ありがとう」と言えるし、生きているからこそ「ばかやろう」と言える。言いたいこと、伝えたいことがあるなら伝えなきゃいけない。
でも伝えたいときに伝えられない場合はどうするんだろう。待てども待てども戻ってこなくて、もはや生きてるか死んでるかすらもわからない場合はどうしたらいいんだろう。
そんなこと、まぁ自分の周りでは起こらないかもしれないけどそんなことを思う作品でした。
今泉力哉さんの作品はこういう不思議な感じの作品が多いと聞いたので、いろいろと見てみることにする。おもしろかった。