ならちゃん

太陽の下で 真実の北朝鮮のならちゃんのレビュー・感想・評価

太陽の下で 真実の北朝鮮(2015年製作の映画)
3.7
ずっと観たかった作品。
ドキュメンタリーとは名ばかりの、北朝鮮にとって"理想の民間人の生活"をアピールするためのシナリオが用意されたヤラセ撮影。
セリフ指導、表情や拍手と声の大きさの指導が入り、北朝鮮側の監督(?)がOKを出すまで繰り返される。
もちろんヒロインのジンミちゃんの家族の職業や、豪華な食事、クラスメイトとの会話も用意されたものだ。
そこで録画スイッチをonにしたまま、ヤラセの現場を撮影し続けるが...
といった内容。

監督は、撮りたかったものは一切撮れないと入国数日で感じたそう。全ての記録をチェックされ、北朝鮮にとって悪いイメージのものは全て消されたからだ。
それでも、監督は危険を冒し検閲前にデータを外部に出したのでこの映画が公開された。
どうやって検査をスルーしたのかは分からないけれど、すごい勇気ですね。
もっとリアルを観たい!と思ったけれど、これが精一杯なのが分かります。

全編を通して、本当の北朝鮮の民間の姿というのは映されない。(多分監督が本当に撮りたかったもの)
しかし、皆作り笑いをしているが目は笑っていないのが分かる。
「敬愛なる金正日様」
「すべてを叶えてくれる」
って歌っているけど...
民間人に自由はない。"こうなりたい"とかそういった欲求が感じられない。もはや"北朝鮮が最高の国"と繰り返し刷り込まれているから、疑問にすら感じないのだろうか。その授業のシーンもある。
それぞれがどんな心境でいるのか、それが気になって仕方ない。

人々が金正日、金正恩の像にお辞儀をする姿や、
「敬愛する〜」と言う度に鳥肌立ちっぱなしでした。
本当にそう思ってる?って...

最後にジンミちゃんのインタビューがあるが、
涙を流してる彼女に「泣かせるな」との指示。
そして、「楽しいことを思い出してみて」に対し、ジンミちゃんは「分からない」
「好きな詩は?」との問いかけに返したジンミちゃんの返答に
もう絶望しかありませんでした。