イチロヲ

太陽の下で 真実の北朝鮮のイチロヲのレビュー・感想・評価

太陽の下で 真実の北朝鮮(2015年製作の映画)
3.5
朝鮮少年団に入団した少女が、特殊極まりない「教育」を受けていく。ロシア出身監督が北朝鮮にて撮影を敢行している、ドキュメンタリー作品。

「当局によるフィルターが掛けられていること」が大前提となっており、映像内の大部分がカメラを意識した芝居によって構成されている。しかし、全体主義に取り込まれる直前の少女には、生身の「人間」が見え隠れする。

教育の現場では「偉大なるキム・イルソン大元帥」の唱和から始まり、「おのれ米帝!おのれ日帝!おのれ南朝鮮!」の思想が擦り込まれる。そして、「キム・ジョンウン同志マンセー!」を通して、子供たちがプログラムされたお人形さん状態になっていく。

「独裁体制下における子供の自我形成」が問題提起されており、生き方を選ぶことができない国に生まれたことの悲痛さが、ひしひしと伝わってくる。本作の鑑賞後、ネット中継されている朝鮮中央テレビを視聴すると、さらに視野を広げることが可能。
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