りょーこ

ニーゼと光のアトリエのりょーこのレビュー・感想・評価

ニーゼと光のアトリエ(2015年製作の映画)
4.3
私の武器は、愛と鉛筆

人間扱いされていなかった精神病患者達に筆を持たせ、希望を与えた1人の女医の奮闘記。

ラストに本人映像もあり!

これは素直に感動、関心する素晴らしい作品でした☆



1944年リオデジャネイロ。
国立精神医学センターでは、ロボトミー手術や電気ショック等の治療が行われている。

そこに赴任してきた医師ニーゼ・ダ・シルヴェイラ。
早々にセンターの暴力的治療に反対した為、彼女は作業療法部門に追いやられてしまった。

しかし、ニーゼはめげない。
同僚の助言で、病室をアトリエに作り変え、患者達にキャンバスや絵の具、粘土を与える。
彼等はユニークで素晴らしい作品を、次々と生み出した。

だが、そんな彼女のやり方は治療ではない、とセンターの上層部は反対して…………



"患者"ではなく"顧客(クライアント)"

暴力的だったり、無気力だったり…
様々な症状の彼等を、ニーゼはまず観察し、話を聞き、口は出さない。

暴れたら殴り、閉じ込め、薬や手術で黙らせる。
それが普通だった精神医学の世界で、彼女はまず彼等に寄り添ったのですね。

即効果が見えない為、治療ではないと罵られながらも、彼女は彼等を支え続けた。

そんな彼女が正しかったということは、ラストの本人映像で一目瞭然☆

とにかく役者が全員素晴らしい!
ドキュメンタリかと思ってしまう。

そして独特な絵画や彫刻の数々…
緻密で奥深い、なんとも言えない傑作ばかりでした。

特に粘土細工!!!!!
あれは買いたいなー
父が彫刻をやっているのですが、彼の爪の垢を煎じて飲ませたいくらい(笑)

ニーゼのパワフルで温かいキャラクタと、クライアント達の才能が爆発したアートをご堪能あれ♪
りょーこ

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