ちろる

アマンダ・ノックスのちろるのレビュー・感想・評価

アマンダ・ノックス(2016年製作の映画)
3.5
私はこの事件を全く知らないので、まっさらな状態での鑑賞。
殺人者とされたアマンダノックスからの言葉からはじまるので「冤罪」の恐ろしさを植え付けるのに十分なドキュメンタリーに仕上がっており、
かなり警察、検察らジャーナリストたちを皮肉った作品。

「美しいブロンドのアメリカ人留学生が乱行セックスのイザコザによりルームメイトの殺人事件を起こしたらしい。」
そこからマスコミはよりセンセーショナルな物語を作り上げ、より注目を集めるように衝撃的な言葉でアマンダ像を作り上げる。

シャーロックホームズに憧れてた、とかほざくミニー二の早めの確信の仕方が怖い。
欲しい供述しか耳を貸さない姿勢が恐ろしいのだけど、
警察と検察の印象操作。
凶器のナイフなど、決定的証拠がないゆえに自分たちの作り上げた仮ストーリーが間違えなかったと証明するためのむりくりな理由集め。
注目されればされるほど、焦りすぎた操作。
犯人を見つけないとイタリア🇮🇹の警察の無能さがバカにされてしまう。
イタリアのプライドとアメリカのプライドがぶつかり合った展開がより事件を大きくしてしまったのかもしれない。

無罪になっても生まれた疑惑は完全には払拭できない。
なによりも女性にとって20歳からの4年間という大切な時間はお金を払っても取り戻せない。
最後までゾワゾワとした気持ちになるなんとも言えない作品。
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