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ビリディアナのsukeのレビュー・感想・評価

ビリディアナ(1960年製作の映画)
3.5
今っぽいテンポとカット。特にラストシーンは音楽もカメラの動きもめちゃくちゃいけてる感じがした。
縄跳び、綱、ひも、犬、死や灰など連想ゲーム的にモチーフが繋がっていく。
ブルジョワジーの世界や聖なるものが、俗なものでめちゃくちゃにされるのがとても不快に感じてしまうのが、まさに聖なるものの限界や社会のありようそのものを突きつけられるようで、理性的にあろうとする自分の潜在意識を炙り出されるようで悔しい。また一方でブルジョワジーの世界にも、他を批判できないようなインモラルがあり、宗教はどこにおいても等しく無力であるという感じ。
前後半の劇的な展開の勢いが良かった。また、食事シーンの遊び心ある悪意がやりすぎなようで、でも無くも無さそうでおもしろい。邸宅再建の土木作業と尼さんの祈りのカットが交互に入れ替わるところとかかっこいい。
その割に映画的な作法みたいなのには結構忠実というか、気を衒ってなく、ちゃんとしてる印象。
意味は分からなかったがカットごとに変わる靴下の左右のズレも印象的だった。
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