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ビリディアナの生活のレビュー・感想・評価

ビリディアナ(1960年製作の映画)
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「アンダルシアの犬」やカトリーヌ・ドヌーヴ主演の「昼顔」などで有名なルイス・ブニュエル監督の作品。「ビリディアナ」はカンヌでパルムドール受賞後、「冒涜的」という理由でスペインでの上映を禁止された。観ると上映を禁止された理由がよく分かるというか、キリスト教への批判というよりも皮肉が物凄く込められている。信仰の無力さと馬鹿馬鹿しさを徹底的に描いていて、特に、レオナル・ド・ダヴィンチの絵画「最後の晩餐」を全員乞食で再現するところなどはすごい。
ブニュエルがこの映画を通じて言いたかったことは多分だけど神や信仰を馬鹿にすることだけじゃなくて、慈悲の虚しさも含まれているんだと思う。慈悲は時に誰かを救うのに有効かもしれないけど全員を救って幸福にできるようなものではないよね。
あとブニュエルは女の人の撮り方が本当に変態的に上手。
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