菩薩

ビリディアナの菩薩のレビュー・感想・評価

ビリディアナ(1960年製作の映画)
4.4
天は人の上に神を作り信仰と言う名の盲信を与え、人の下に人を作り偽善と搾取を与えた。俺は今32歳なんだけど、世の中に神のご加護なんてものが無いのも恩を与えたところで返ってこないし返ってきたとしても仇としてしか返ってこないなんて言うのも2歳の時にはもう分かってたね。漫画のような狂った世界でやっていくのは楽じゃ無いし、この映画の中のクレージーワールドは今の世界の理そのものでしか無いから、ブニュエルが意地悪だとか下品だとかそんな感想は一つも出てこない。ただあんだけ脚フェチを匂わせて置きながら、眠らせたビリディアナにチューかました後に足指舐めから入らないブニュエルはまだまだ甘っちょろいなと思う、おっぱいから行きたくなるのも分からなくも無いが。そもそも雲上人がど底辺野郎共と同じテーブルにつこうなどと言う時点でおこがましさしか無いのだと言うことを自覚した方がいい。ラスト3人で興じるカード遊び、当然その結果「勝者」と「敗者」と「どちらにもなれぬ者」が生まれる、最後の晩餐から家族ゲームへと連なる食卓の崩壊後の世界はこんなもんでしか無い、欲望と共にゆらゆら揺れてる奴がこの世の中の勝者である。
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