つぼかび

ビリディアナのつぼかびのレビュー・感想・評価

ビリディアナ(1960年製作の映画)
4.0
イメージフォーラムにて。奥行きのあるショットに痺れ、聖女の如き無償の愛が辿る末路に悲喜劇をみる。人間の良心だとか清貧だとか自己犠牲だとか救済だとかを残酷な笑いに変えてみせるブニュエルの姿勢は、反キリスト的とまではいかないまでも、現実的な皮肉に満ちていて、マルキ・ド・サドの小説を彷彿とさせる。後年の『銀河』よりはシュルレアリスム感が抑え目なのでブニュエルにしてはシンプルで分かりやすい。

ハレルヤの劇的な効果とか縄跳びやダンスに興じる足のアップなどの異様に動的であり静的でもあるショット、違和感満載なモンタージュなどはっとさせられる場面多数。
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