mh

残像のmhのレビュー・感想・評価

残像(2016年製作の映画)
-
終戦後のポーランドで、急激に浸透する共産主義に翻弄された実在した画家の半生記であり、アンジェイワイダの遺作。
画家のおじいちゃんがめちゃくちゃかわいそうかつ、救いがまったくない。
共産主義を選んだひとたちを人情味ゼロの冷血悪人にしてしまったのがすごいというか、アンジェイワイダどうしちゃったのだろうかと心配になる。
みんなが冷たくなるから共産主義はあかんというメッセージもありそうで、アンジェイワイダそういう作風だったっけ?
おおきなはてなマークも浮かぶんだけど、主人公の画家をまあまあのクズにしてるのは監督らしいと思った。
子どもより愛人取ったり、愛人の危機を聞いてもなにもしなかったり、やってることはかなりエグい。それが目立たない作りになってる。
もうだれもいないベッドの前にいていいかと聞く娘でエンド。
この締めくくりかたがめちゃ良かった。
話には関係ないけど、モノクロで見たかったなぁとも思った。
モノクロなら共産主義社会の物質的な貧困もきれいに見せてくれるのにね。
カラー作品だとみもふたもないね。
面白かったです。
mh

mh