ポーランド前衛画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキの晩年を描いた、アンジェイ・ワイダ監督遺作。
独自の視覚理論に基づく作品で名声を得て、戦争で片手片足を失い松葉杖生活を強いられるも、教鞭を取る造形大学では師と仰ぐ学生達から絶大な支持を得るが、強制される社会主義リアリズムに反発し芸術の自由を訴えたことが政府の反感を買い、職を追われ芸術家協会からも除名、ギャラリーは荒らされカフェレリーフも破壊される・・・。
体制への反発も虚しく世の中から弾き出されていく姿が哀れに映し出されていくが、自由を求めれば求めるほど抑圧された社会の歪さが際立って見えてくる。
ストゥシェミンスキは学生ハンナに残像は補色だと説く、現実の色とは正反対の色として網膜に残るもの、それはまるで社会主義に反発する自由のように思えて来る。
他人の不幸に構っていられないほど殺伐とした時代だったのだろうか、松葉杖の人が倒れて “酔っ払い” はないと思うし、ショウウインドウに目もくれず行き交う人の姿も寒々しかった。
監督 アンジェイ・ワイダ
キャスト
ボグスワフ・リンダ
ゾフィア・ヴィフワチ
ブロニスワヴァ・ザマホフスカ
クシシュトフ・ピェチンスキ
トマシュ・ヴウォソク
アンジェイ・コノプカ
シモン・ボブロフスキ
アレクサンデル・ファビシャク