GreenT

ポップスターのGreenTのレビュー・感想・評価

ポップスター(2018年製作の映画)
1.5
ナタリー・ポートマンのプロヴォカティヴなポスターから受ける印象で観たい!と思ったのですが、肩透かしを食いました。

ポップ界のスーパースターとなるセレステは、14歳の時に学校で起きた乱射事件で重傷を負うが、一命を取り留める。背骨を痛め、何ヶ月もリハビリをする中、退屈しのぎにいじっていたキーボードで、姉・エレノアと共作で曲を作り、乱射事件の犠牲者のメモリアルで歌う。乱射事件は、アメリカ中で注目されていたため、セレステの歌はヒットになり、セレステとエレノアはレコード契約を取り付ける。

この最初のスクール・シューティングからセレステが救急車で運ばれるシーンが無駄に長い。そのあとのリハビリ〜犠牲者メモリアルも長い!この14歳のセレステはラフィー・キャシディが演じているので、「ナタリー・ポートマンはいつ出てくるんだ?」とイライラします。

で、この娘は、14歳にしてレコーディングして、ヨーロッパに行ったり、LAでPV撮ったりしているうちに、純粋無垢な田舎の子から、どんどんセックス・ドラッグ・ロッケンローにはまってきちゃいます。

で、場面変わって17年後。大人になったセレステを演じるのはナタリー・ポートマンで、やっと出てきたかって感じです。

とにかく、ナタリー・ポートマンの演技がひどいです。私は元からこの人そんなにすごいと思っていないので、すれっからしのスーパースターの女を演じるのに、めちゃくちゃオーバーアクトで、「ムリしてんな〜」って感じしかしませんでした。

それに背景が2017年なんだけど、こんな格好してるやついるの?!って思っちゃいました。プライベートの格好が、髪をアップにして、白いTシャツにライダー・ジャケット、ボロボロでぶかぶかのジーパン?まあ〜セレブの服装見ていると、なんでもアリだからなんとも言えないけど。

ステージ衣装も、今どき髪の毛にシルバーのペイント入れたり。ジギー・スターダストじゃないんだから!って思ったんだけど、でもこれって、レディ・ガガとかテイラー・スィフトがモデルですよね?

曲もめちゃくちゃダサくて、なんでもSia って人がこの映画用に書いた曲なんだって。まあでも私は今のポップ・カルチャー全くわからないので、今はこういうのカッコいいのかも知らんけど。モトリーの自伝を観た今どきの若者が「なんだこの音楽!」って思うかもしれないから、それは5分5分で(爆)

でも、もしこの映画がこういう現代の「量産・消費されていくポップカルチャー」を批判するためにセレステという「風刺的」なキャラを作ったのだとしたら、曲のダサさや、ナタリー・ポートマンのオーバーアクトさもわざとやっているんでしょうね。

しかし、わざとやっているなら、観客がセレステのキャラを「嫌だな〜この女!」って思うか、逆に「ああ〜この人はアメリカのユース・カルチャーの犠牲者なんだ〜」みたいな、共感っていうか、そういうものを感じてしかるべきなんだろうけど、何をどう感じていいか、わからんかったです。

「何を感じるかは、観客に委ねられている」みたいなこと言ってるレビューがあったけど、それは無責任というか、もちろん、それを意図的にやっている映画もあるんですが、これは単に製作者側が何を言いたいか良くわかってないとしか思えません。

私が察するに、製作者は、現代のアメリカのユース・カルチャーは、悲劇で彩られてきた。学校での乱射事件や、テロ、そして、薄っぺらいポップ・カルチャー・・・・

というマテリアルだけはあるんだけど、それをきちんとまとめて一つの作品にはできていないのかなあ〜と。

最後、セレステのコンサート・シーンがあるんですが、とにかく、振り付けもダサいし、コスチュームも曲もダサいし、しかも長い、このシーン!!

「まさかまさか、これで終わっちゃうのかなあ〜?」

と不安になってきたら、やっぱり終わっちゃったよ!

しかもオチがすごい。

(ネタバレ注意、するべきだと思うが、ネタと言うほどのものでもないかも・・・)

セレステは、乱射事件で撃たれて、生と死の間をさまよっていた時・・・


・・・悪魔に魂を売って、それでスターダムにのし上がったんだ、という。

今どき、悪魔に魂を売って人気者になるって・・・・そのテーマ、古すぎない?!

(余談)
私は英語字幕で観ていたのですが、最後のコンサートシーンの前の楽屋のシーンに、真っ赤な髪のかつらを被ったアジア人の女の子がいて、どうやら前座をやるらしい。通訳が普通のスーツのアジア人の女性で、「ご一緒できて光栄です」とかなんとか喋っているんだけど、それを英語から訳す時、(Speaking Japanese)って出るんだけど、ど〜聴いても中国語だと思うんだけど!少なくとも日本語じゃないと思う。日本のみなさん、確認してください。そんで、セレステが「Hope you dig my hometown」って言うと、通訳が「?」ってなって、「Have fun in Staten Island」と、「アジア人でもわかる英語に言い換えた」みたいなところがちょっとムッとした。「dig」って言葉が「好きになる」って意味なのをアジア人は知らない、アジア人は、格好はぶっ飛んでいても、ヒップな言葉を知らない、みたいな解釈?

しかし、「dig」って言うのはすでにそれほどヒップってほどでもないと思うし、それに今どき日本語と中国語の違いもわかんねーのかよ、とか、作り手が本当にユース・カルチャーやポップ・カルチャーに精通しているのかも疑わしい。まあ、英語字幕に製作者は絡んでいないのかもしれないが、それにしても。