麩

At the terrace テラスにての麩のレビュー・感想・評価

At the terrace テラスにて(2016年製作の映画)
3.6
舞台戯曲界のアカデミー賞や芥川賞にあたる、第59回岸田國士戯曲賞を取った、城山羊の会の山内ケンジによる演劇「トロワグロ」を映画化したもの。
舞台ならではのワンシチュエーションで展開する会話劇。

序盤、全然仲良くない上にちょっと変わった人たちの会話が続くので、なんなんだこれ…という気持ちと気まずっ…という気持ちでモヤモヤしながら見るものの、
話が縺れ合ってきて混沌の様相を呈するようになると、我慢して観てきて積み重なったぶんのモヤモヤがうまくハマってどんどん笑えてくる。
さすがの脚本力。

全然知らない人と会話が止まって
あーどうしようなんの話しよう…ってお互い考えながらニコニコしてる数十秒の沈黙とか、あたりさわりないどうでもいい話で繋いで、少し盛り上がってくるとお互いホッとする感じとか、気まずいな〜って思いながら会話する感じとか、演技がうますぎて面白い。序盤は見てるこっちまで気まずくて居心地悪くなる。

「あの人また泣いてるわよ、
まーたシリアの話して。シリアに親戚でもいるのかしら」が謎にツボにハマって、ンフフフフって笑った。

酔ってからのハルコ、最高。
わーかりませぇん的なリアクションのとことか、「プディングw」とかまじでおもしろかわいくて目が離せなかった。

いやー岸田戯曲賞の脚本は流石だし
出てる方々もめちゃくちゃ手練れだし
ちっちゃい笑いがずーーっと続く、人間の嫌なとこの絡み合いで最高だった。
麩