GASS

浮き草たちのGASSのレビュー・感想・評価

浮き草たち(2016年製作の映画)
3.8
センスの塊のような作品だった。
ストーリー、主役を演じた2人、そしてカッコよすぎるBGM。
監督のアダム・レオンは、この作品がデビューから2作品目というのを聞いて驚いた。

貧乏で冴えない生活を送っていた主人公のダニー。
ある日兄から運び屋の仕事を頼まれる。
運転手役の人物と2人である場所まで行き、そこにいる女性の持つバッグと自分達のバッグを交換しろとのことだった。
嫌々運転手との待ち合わせ場所に行ったダニーの前に現れたのは、謎めいた女性だった......

間違いなく低予算映画だと思います。
出演者も決してメジャーとは言えない役者さんたち。
名前も知らなかった監督はデビュー2作品目の若手。
そんな条件でも、センスがあればこれだけ面白い作品が作れるんだから、やっぱり映画は面白い。

序盤、理由は分からないけど何か閉塞感を感じる主人公の生活。
彼にかかってきた電話は警察に捕まったロクデナシの兄から。
そんな彼の後ろには口うるさい母親.....
主人公が今の生活に何かしら不満を持っていることをたった数分で観客に理解させる素晴らしい出だしでした。
しかも次のストーリーが気になる導入だったので、すぐに物語にのめり込んで行けましたね。
そしていざ運び屋の仕事に向かう朝、目覚まし時計のアラームを主人公が止めた瞬間に流れ出すカッコいいBGM。
これが本当に最高の曲で、曲名を知っている方がいたら教えて欲しいぐらい。
サントラ売ってたら買うレベルでした。

この作品で特に印象的だったのが主人公ダニーを演じたカラム・ターナー。
もともとモデルさんだったそうですが、今作でのドジで冴えない男役がドンピシャでした。
要注目の俳優さんですね。

正直言って、ストーリーに特に捻りがあるわけではありません。
ありがちな内容と言われればそうかもしれません。
それでも、観たら分かる面白さ。
80分強の短い作品ですので、ノリで一気に観れると思いますのでかなりオススメです。
GASS

GASS