福福吉吉

フューチャーワールドの福福吉吉のレビュー・感想・評価

フューチャーワールド(2018年製作の映画)
2.0
第3次世界大戦によって水や資源が枯渇し、荒廃した世界。ある時、平和主義者の人々が暮らす避難所「オアシス」を統治するクイーン(ルーシー・リュー)が難病に倒れたため、遥か遠方の地にある「命の寺」に特効薬を手に入れるためにクイーンの息子プリンスは旅に出た。しかし、暴力で支配するレイダースの王ウォーロード(ジェームズ・フランコ)はアンドロイド「アッシュ」を従えてプリンスを罠にはめて「オアシス」への道案内を強要するのであった。

世界観はよくある荒廃した世界なんですが、視覚的に荒廃した世界であることを感じられる部分が少なく、「オアシス」「ラブタウン」「ドラッグタウン」の三つの場所のみでストーリー展開を済ませているので、やたらと世界が小さく感じました。そのセットも潰れた店舗という感じで非常に安っぽい。

ストーリーとしてプリンスが主人公なんですが、これが非常に地味でした。プリンスはウォーロードに捕まって拷問を受けたり、特効薬を手に入れるために苦労しますが、なぜか感情移入できません。痛みとかつらさなどの感情がほとんど伝わってこない。ストーリー展開の軸であるはずのプリンスとアッシュの間の繋がりが見えてこない。

それに対してプリンスの存在感を消してしまうほど、ドラッグタウンのボス、ドラッグロードを演じたミラ・ジョヴォヴィッチの存在感や演技が非常に良かった。「私がこの町の支配者だ」という強烈な支配欲と狂いっぷりがよく出ていて面白かった。また、オアシスの管理者であるクイーン演じるルーシー・リューも存在感たっぷりでプリンスの存在感が消滅した。

全体としての面白さに欠けますが、ミラ・ジョヴォヴィッチの狂いっぷりが観ることができたのは良かった。
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