ガーコ

タリーと私の秘密の時間のガーコのレビュー・感想・評価

タリーと私の秘密の時間(2018年製作の映画)
4.0
これから子供を産み育てたい自分としては、決して他人事とは思えません。
母親の辛さ大変さを、まるで自分が体感したからのような映画でした。
ある意味、疲労感120%でした…。


子育ての辛さというのは、実際やってみないと分からない事だらけでしょう。
授乳→オムツ替え→洗濯という終わりのない家事と育児から、観ているこっちが疲労困憊になりました。

世の中のお母さん達は、みんな大変な思いをして育ててくれたんだと実感しました。改めて親に感謝しなくてはいけませんね。

夫は優しい言葉は掛けてくれるものの、育児は妻に任せっきり。
対する妻は、完璧な母を演じたいと妥協を許さず、必死に子育てに専念しています。
現役時代、仕事をきっちりこなしてきたからこそ、子育ても完璧でありたいと願う気持ち…分からなくはないです。

でも、何でもかんでも自分の思い通りになんていかないのが人生。
時に誰かに頼ることも大切です。
ある日、自分の体力に限界を感じた彼女は、夫に頼み込んで夜だけの子守を雇うことにします。

22時半きっかりになるとやって来るベビーシッターは、美しいスタイルと容姿を兼ね備えた完璧な女性でした。
自分の若かった頃を思い返しながら、彼女の美しさに憧れとトキメキを感じたことでしょう。
徐々に彼女との交流が増えることで、気持ちに余裕が生まれ、見違えるように表情が変わってきた彼女。

その変貌ぷりには、本当に驚かされました!
妻ではなく1人の女性として女として美しくあろうとする、「まだまだ自分はいける」という熱意のようなものが感じられました。

しかし、理想と現実の境はある日突然決壊してしまい、彼女はとんでもない事件に巻き込まれてしまいます…。
完璧だったはずの彼女に一体何が?
この続きは是非劇場で。

今回この映画で考えたいのは、子供を持つ母親の心境について。

現役時代の美しかった自分から、一気に結婚後のやつれた主婦へと変貌してしまう悲しみがたくさん感じられました。
子育てには、嬉しい瞬間もありますが、辛く悲しい瞬間もあるはずです。
子供の成長を見守りたいと思う反面、現実逃避したくなる妻の様子も共感できました。

これから子育てをするであろう自分は、辛い気持ちの中で子育てをするのか?
それとも、夫に支えてもらいながら、楽しく育てていけるのか?
まだまだ、先の話で見通しのない事ですが、あまりストレスを溜めずに、育児ノイローゼにならないよう、うまくガス抜きができるようになりたいなと思いました。
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