へんり

タリーと私の秘密の時間のへんりのレビュー・感想・評価

タリーと私の秘密の時間(2018年製作の映画)
4.5
ジェイソンライトマンの新作です。
ヤングアダルト以来の脚本ディアブロコディ、主演シャーリーズセロンという期待感MAXの一作。過去作同様、ひとりの主人公にフォーカスを当てながら、普遍的なテーマを描く素晴らしい作品でした。前者は、アメリカのポッチャリ母ちゃんを演じるシャーリーズセロンの肉体的説得力、細部までこだわり抜かれた小道具や美術(個人的には兄の家のシーンが最高!)、セリフに頼らない軽やかで上品な演出で、物語に引き込まれます。そんなディテールまで描くの!という緻密さが登場人物の実在感を高め、最後にはより普遍的で大きなテーマにつながっていくので、観ていてとても気持ちがいい。音楽的なセンス(選曲や編集のテンポ)もめちゃ良い。そして僕もひとりの父親としてスイマセンスイマセンと心でつぶやくのでした。JUNOのオッサン同様、これも自分に刃を向けて来る作品ですが、大切にしたいと思える作品でした。
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