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タリーと私の秘密の時間のmaverickのレビュー・感想・評価

タリーと私の秘密の時間(2018年製作の映画)
3.8
「うそ!?えええ!?」ってのが正直な感想。直感的すぎるが、ネタバレ厳禁な内容だけにこれで察してほしい(笑)。観た人なら理解してもらえるだろう。それほど裕福でない中で、3人目を出産した主人公がベビーシッターを雇う。若すぎる見た目とは裏腹に完璧に仕事をこなすシッターの彼女。彼女のおかげで余裕が生まれた幸せを感じる日々を取り戻す。主人公とシッターの彼女との繋がりを描く話。まず、子育てってこんなに大変なんだと驚かされる。産むのも大仕事なのに、産んでからもこんなに大変なんて。改めて母親の偉大さを知る。自分もこうして産んでもらって育てられたんだな。ありがとうの言葉しかない。本作の主人公は、2番目の子が非常に手のかかる子なので尚更大変。そりゃボロボロになるよって辛さが画面から嫌でも伝わってくる。シャーリーズ・セロンは本作の主人公を演じるにあたり、体重を大幅に増加。熱演も加えたやつれた姿は凄まじく、もはや別人レベル。主人公の不安定さを見事に表現している。なぜ元々スタイル抜群の美人な彼女が、わざわざ体重を増やしてまでこの役を演じる必要があるのか?それは主人公が若い頃は男に困らない美貌の持ち主で。でも今は歳も取り、子供を産む度に体重も増えて化粧やお洒落をする気にもなれない。夫は自分を女として見ず、情事も長らく御無沙汰。昔はあんなに輝いていたのに今は。と、そんな主人公を表現することに彼女は全力を尽くしたわけだ。元々美しいシャーリーズ・セロンが特殊メイクや増量スーツなどに頼らずに、自ら体重をコントロールして表現したからこそ圧倒的なリアリティが生まれている。その熱演ぶりは凄まじく、『モンスター』で過去にアカデミー賞主演女優賞を獲ってなければ本作で獲っていただろう。ラストまで観て彼女の熱演ぶりの凄さを改めて感じる。子育てがいかに大変かを痛感。夫婦の方は是非一緒に観てもらいたい。辛いのなら誰かに頼っていい。一人で全部抱えて体も心も限界まで頑張らなくていいんだ。子供を育てるのは大変なこと。でも、子供を持つのは幸せなことでもある。夫婦がお互いに大変だと感じずに幸せを感じれることが大切。それが親にも子にも必要なんだね。直球でなく、かなり変化球での驚きの作品性だったけど、結果しっかり伝わる作品なのはグッド!でした。
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