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タリーと私の秘密の時間のyumeayuのレビュー・感想・評価

タリーと私の秘密の時間(2018年製作の映画)
4.0
"世の中のパパに捧ぐ"

今の時代、子育ても母親一人でやるものではない。時には休む時間だって必要。
育児に疲れたママとベビーシッターの心の触れ合い…きっと、そういう映画だと思ってたのに。
なんだか訳ありっぽいけど、完璧なベビーシッターのおかげで心の平穏を取り戻していく感動のドラマみたいな。ところが…。

いやこれってある意味ホラーだよ。キツすぎる!
そしてこれはママのための映画ではなくて、パパのための映画だ!僕はそう感じました。

子供が泣いてても爆睡してませんか??
子育てそっちのけでゲームやってませんか??
仕事と言い訳をして家庭をほったらかしにしてませんか??

自分の子供が赤ん坊だった頃を思い出してみる。
自分が育児をしていたとき、ちょうどイクメンという言葉が出始めた頃でした。テレビでも育児自慢をするタレントが出演したり。
自分自身、多少なりとも育児に協力的だったと自負していたので、妻に冗談半分「俺もイクメンでしょ」なんて言ったことがあった。即座に「イクメンだなんて言っているようじゃ、まだまだ甘い」と一喝されたことを思い出した…。母は偉大だ…。

そんなこんなで、今もまだ二人の子供を子育て中ですが、経験上パパの役割って、子供の世話よりもママのケアのほうが大事だったりする。
ウチの場合だと、ママは子供のことで起きたり、世話をしたりするのは意外と苦にならなかったらしい。むしろ掃除とか洗濯とかを手伝って欲しかったみたい。
あと自分のことは自分でやれと。私はあなたのママじゃないんだから…。ぐぬぬ。

今作の主人公マーロは、一人で家事も育児も兄弟の面倒も見ていた。対する夫はというと、ベッドに寝っ転がってゲーム…。子供は愛しているようだったし、仕事が忙しいのも理解できる。
だけども、あまりにも無関心すぎ!
正直ね、マーロがなんで夫を愛していたのかが理解できなかった。愛想尽かしてもいいと思うよ。そのくらいあの夫にはイライラした。

そして、マーロを演じたシャーリーズ・セロンの身体を張った演技には度肝を抜かれました。あのダルダルの腹はなんだ!!色気も何もない。それだけ忙しいってことを表現してるのだろうけど、役作りがヤバい!

とにかく、前述したとおり、今作はパパにこそ見てもらいたい作品です。これからパパになる人は特に。

これ産婦人科でレンタルしたっていいくらい。
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