ある日、ルイス夫妻の元にスイッチのついた箱が送りつけられ、スチュアートという老人がその箱の説明にやってくる。
「スイッチを押せば、あなたの知らない誰かが死に、あなたは100万ドル(1億)が手に入る」
決して裕福ではないルイス夫妻は、ボタンを押してしまう。
『アイ・アム・レジェンド』のリチャード・マシスン原作による短編小説を、キャメロン・ディアス主演で映画化したサスペンス。
「24時間以内にボタンを押せば1億円が手に入るが、見知らぬ誰かが死ぬ」というゲームに巻き込まれた夫婦の運命を描く。
うーむ。
作品的には、SFミステリー?
主演がキャメロン・ディアスだが、娯楽要素は薄く、アメリカ映画では珍しい人間社会の「虚無感」が表現された映画。
この映画を一言で表するなら…、「不可解」だろうか。
ただインパクトだけはあった。
1億円が手に入るかわりに、知らない誰かが命を落とすという運命のボタン。
良心の呵責にさいなまれ日常が、徐々に歪んでいく。
わずかな刺激にも過剰反応してしまい、やがては正常な精神状態が保てなくなってくる。
人は大金を得るためには、他人を犠牲にできるのだろうか。
突然の鼻血に無表情な視線、謀報機関の関与。
追い詰められていく夫婦が体験する、じわじわと真綿で首を締められるような感覚が、思わせぶり映像の連続で再現される。
多かれ少なかれ他人を虐げてよいと思っている人間はそれ相応の報いを受ける。
因果応報。
メッセージはよく伝わったし全体的に悪い作りではなかったけど、個人的に好きじゃない内容だったかな。
というか不明な点が多すぎる。
ベビーシッターの子が助けてくれるのか、それとも敵なのかいまいち釈然としない。
3つの扉も意味がよくわからないし。
あの選択は正しかったのか?
それがどう影響しているのかも不明なまま。
途中で出てくるシーンや登場人物も???な部分が多い。
CIAだとか、NASAとか、警察とか、前頭葉とか、火星とか、魔術とか、科学とか、サルトルとか、人体実験とか、洗脳とか、落雷とか。
色んな要素が掻き混ぜられて何が何やらさっぱりです。
多分何度も繰り返し見たら意味も理解できるのかもしれないけど…。
この映画は初回が面白いのであって、2度3度繰り返してみるような映画ではないので、このまま不可解な映画で終わらせておくべきだろう。
キャメロン・ディアスが主演じゃなかったら、ほんとのB級映画のにおいがぷんぷんしてる感じ。
キャメロン・ディアスのシリアスな演技が新鮮に映りました。
こんな役もできるんだー。
でも彼女はやっぱり、笑顔のイメージのほうがよく似合う。
私なら恐らくボタン「ノリで押しちゃえーい!」とか言って押すだろうなって考えたら怖くなった。