MAKOTO

オリエント急行殺人事件のMAKOTOのネタバレレビュー・内容・結末

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ミステリとしては、話の流れから真相を含めて
大変面白かったですし良作でした。

私はアガサを読んだ事がないので、有名作品ですが内容も真相も全く知らずに観ました。
そのせいなのか、どうにもキャラクターに最後共感が出来ず、ラストのあの展開に「それって許して良いの!?」となってしまったタイプでした。

おそらく、12人というキャラの多さに、
小説であれば読み進めて全員に共感していけるのだと思うのですけど、あの114分という時間で全部を把握するのは、自分の脳では無理があったせいかも。
キャラの事情を理解している今、2回目を鑑賞すれば、あのラストの展開には納得して観れたかも知れないです。

冒頭であんなにバランスを気にしていたポアロが、真相に辿り着いたことで善と悪のバランスを崩し、彼の中でそのこだわりすら逆転させてしまった事が、この映画のキモだったのではと思っています。
が、やはり、どうにも急ぎ足過ぎた感があり、ポアロが彼らの心にものすごく寄り添っている事に対して、見ていて「え、ポアロそんなに共感してたの?」という感覚でした。

アームストロング家事件の概要も、もうちょっと詳しく説明欲しかったなぁ……とも感じました。
ポアロもあまり推理しているシーンが無かった気がして、ラストのところでの真相口上が、観ている私にとっては「どこでそこまで気付いていたの?」という置いてけぼり感覚でした。

名作ミステリだと思いますが、114分という時間はこの作品には短かったのでは……と思わずにはいられなかった映画。

しかしキャストはとにかく豪華で素晴らしい。
個性豊かなキャラクター達が、潰し合うことなく良いバランスで織り成している見事な群像劇になっていたと思います。
特にジョニー・デップのラチェットと
ミシェル・ファイファーのハバード夫人、
ウィレム・デフォーのハードマンがお気に入りです。
トム・ベイトマンのブークのキャラも面白くて好きでした。
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