まぁ 何度も映画化もされて 描き尽くされた名作を今更…っていう懐疑と 新しく上書きする意義への期待が半々だったにせよ…
事件と事実と謎解き自体はホント申し分ないんだけども いかんせん 元よりポアロの神格化が議論を生んでる原作以上に 監督から主演までやってしまうケネス・ブラナーの独尊ぶりには やっぱりちょっと首を傾げてしまう
イースターを思わせる"エッグ"のヨリから 恐れ多くも神の使いの前に裁定を述べる一幕 あからさま過ぎる最後の晩餐と 神に名乗りあげる名台詞
原作の疑問視される部分を 全て再現してしまってるあたりに 彼の意図の恐ろしさも感じずにはいられない
中盤で二度も語られる"沈黙を禁ずる法はない"という一言が ラストではリフレインされずとも 観客の天秤の前には グッとのしかかる言葉になってくるだろうし 昨今の大国の在り方 リーダーの成し方においてまで それでいいんだろうか…
よもや そんな事まで思わせる なんともエンターテイメントに逆行する仕上がりなっていたなぁ
