あでゆ

オリエント急行殺人事件のあでゆのレビュー・感想・評価

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)
2.2
トルコ発フランス行きの豪華寝台列車オリエント急行で、アメリカ人富豪のエドワード・ラチェットが刺殺体で発見される。偶然列車に乗り合わせていた探偵のエルキュール・ポアロが、鉄道会社に頼まれ密室殺人事件の解明に挑む。乗客のゲアハルト・ハードマン教授やドラゴミロフ公爵夫人、宣教師のピラール・エストラバドス、キャロライン・ハバードらに聞き取りを行うポアロだった。

ストーリーやオチ自体はよく知っている作品で、特に代わり映えなく進行するので正直に言って中盤は眠くなった。
そうはいっても「オーシャンズ」シリーズのように数多くの名優たちの顔と演技で魅せる作品なので、本当に退屈だったと言うわけでもない。

特に真相究明シーンは白眉で、ミシェル・ファイファーをはじめとして皆が迫真の演技を見せる。モノクロの映像で語られる殺害の回想は、その切なさに若干だがうるっとくるほど。
地味だが、ウィレム・デフォーの訛りの演じ分けなども流石だなあと思ったりした。だけど尺が短いので肝心のネタバラシをしても、それ以前に何が起きたのかよくわからないままに物語が進んでいく印象だった。
まあそもそも今更感もあるので、そのあたりは思い切ったのだろうか。

全体的に、狭い列車の中での空間や人物の位置関係を魅せるために、どのカットもかなり長め。
特に列車搭乗時や降車時の長回しは列車の実在感や、その豪華さを披露するために機能していたように思う。狭い廊下を丁寧に映すための窓越しからのショットが記憶に残る。

あと車内でも敢えてガラス越しに人を映してみたり、殺人現場をカメラに入れないための天井を貫通するようなショットなど、中身ではなく映像の工夫によって飽きさせなくさせる狙いがあるように感じた。
ただ若干それらの変化球なカメラワークが多用されていて、これ見よがしにも思える。

そういえばポアロが寝ていた時に身につけていたヒゲガードみたいなやつってほんとにあるんだろうか。
あとデイジーリドリーがふっくらとした洋服でも隠せないほどにパンプアップしていてちょっと笑ってしまった。
制作にリドリースコットも協力していたようでびっくり。
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