名探偵エルキュール・ポワロどころか、もしかしたらアガサ・クリスティすら初体験かもしれない……という気がして仕方がない、というコトを最初に告白しておきます（笑）。
正直、大雪の山de脱線列車という密室殺人というシチュエーションに真っ向から犯人当てを楽しむつもりが、名探偵氏のキャラが強過ぎてどうでもよくなった感は否めないかも。とはいえ、誰もが怪しいというサスペンスフルは十分に堪能できたし、殺人に至ったエピソードも思わず泣けるだけの説得力はあった。しかも、白か黒かで区別したがる風潮に対する皮肉も含まれてるあたり、思わずにやっとしちゃったり。
ともあれ、アームストロング家の悲劇は確実にリンドバーグ愛児誘拐事件が元ネタだということは察せられるんだけど、その辺りはもうちょっと強く説明してくれててもよかった気が。そうすれば、さっさと死んじゃうラチェットがジョニー・デップだ、という以外の印象が持てたかも。
イヤむしろ、ヒゲマスクのインパクト絶大さが何とも（笑）。
