ナチスドイツ時代に虐殺に加担した祖父を持つ男性と虐殺された祖母を持つ女性の物語。
テーマは重たいですが、ラブストーリー的な要素やコミカルなシーンもありました。（犬を投げるシーンは少し嫌悪感を感じましたが）
重たいテーマにそうした要素を盛り込むというこれまでにない、チャレンジ精神に溢れた意欲作だと思います。
もちろんナチス問題にコミカルな要素ををぶつけることはタブーだとは思います。
ただ、監督には恐らくナチス問題を茶化すつもりなどはなく、新しい角度からこの問題を掘り下げたかったのだという風に自分はとらえました。
祖父、祖母の時代の事とはいえ、暗い過去を持つためにお互いに精神を病む二人ですが、少しずつ距離を縮めていけたところは良かったと思います。
病みながらも不器用に生きていく様はとても人間らしくて共感できました。
ラストの更にラストのシーンも胸に響きました。
他の方のレビューを見るとあまり評価があまり良くない作品のようですが、自分にとっては結構良い作品でした。本当ならもう少し高いスコアを付けたいところですが、誰にでも勧められる作品ではないようにも思うので、あえての3.4です。
戦後のナチス問題をテーマにした作品を多く鑑賞されている方にとっては、これまでの作品とは別の角度から楽しめる作品なのではと思います。
「The Bloom Of Yesterday」・・・昨日の花。タイトルの付け方にもセンスを感じました。主人公の名前がTotila Blumenで、Blumen（独）＝Bloom（英）
作品を鑑賞して主人公の名前を知るとタイトルの意味が少し変わりますね。
