まりん

ブルーム・オブ・イエスタディのまりんのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

哀し過ぎる。
生きるのが下手な二人。もう・・特にトト。彼の周囲も哀し過ぎる。
生まれた家はどうしようもない。先祖のしたことが末代まで祟る?それはその子孫次第なんだろうな‥彼を見ていてそう思った。
ナチの家に生まれた。祖父はホロコースト実行戦犯だった。
それを受け入れてそのように生きる家族。
その中で、一人、恥、悔い、ホロコーストの研究に人生を捧げる。
彼の性格で、この血筋は辛すぎる。真面目で、誠実。本気過ぎて周囲から浮きながら、円形脱毛症になり、インポテンツになり、それでも愛する妻と夫婦でいる為に用意した解決策が・・
もう、馬鹿じゃないの。と言いたくなるくらい自分自身を苦しめてる。
そんな彼が、嫌いじゃない。愛しい位だ。
だから奥様も、彼の為に受け入れたのね。健気で、痛々しくて、哀しい・・ そして出会ったザジは最初病的な位かしましくて。
でも解る。興奮していたよね。どう接したら良いのか、持て余して。
自分が普通に暮らし生きて居る事への罪悪感。何と呼んで良いか解らない感情に苦しんで来たんだろうな‥
だから近付いた。何が見つかるのか、何を感じるのか解らないまま。
そのまま生きる事が出来なかった彼女の不器用さも好き。
そして最後の嘘もね。
あの子、養女が指摘するまでも無く、どう見ても3歳じゃないでしょ。
最悪な出会い。最悪な関係。だけど。お互いが、お互いで良かったね‥と思える。
この脚本は凄いな。
まりん

まりん