Solaris8

ブルーム・オブ・イエスタディのSolaris8のレビュー・感想・評価

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10/1 渋谷ル・シネマでブルーム・オブ・イエスタデイを観た。

ナチス親衛隊だった祖父を持ち、ホロコースト研究に人生を捧げる男性研究者の後を追いかけて、ホロコースト犠牲者となったユダヤ人の祖母を持つ女性がアウシュビッツ会議の研修生となる。

ホロコーストを題材にしてコメディタッチで恋愛を描いた映画だそうだが、男性は仕事中に歯を折るケンカをしたり、女性は運転中の車から犬を放り投げたり、赤いペンキを被ったりで情緒不安定ぶりが目立ち、自分にはコメデイには見えなかった。二人は仕事を通して、愛し合うようになった筈だが展開が急過ぎて、心が通じ合った恋愛映画にも見えず、映画に入り込めなかった。

ホロコーストの問題は未だにドイツ国内の世論でも神経過敏なのは映画を観て感じたが、ドイツの何処のメーカーの車が毒ガスの車だったとか、アウシュビッツ会議にホロコースト被害者を呼ぶのに、スポンサーが幾らのお金を払うとかの話が、コメディに対する感覚が麻痺してしまい、コメディなのかどうか良く分からなくなってくる。

全体的に荒っぽいコメディやロマンスをどう評価するかで見方が変わって来るが、入り込めない人は、折角のラトビアのカチンの森のシーンにたどり着けない。仕事で怪我を負うほどの喧嘩は社会的責任が伴うし、犬を車から放り投げるというのは、殺人と同じであり、少し残念な作品。
Solaris8

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